佛壇の山本TOP

リサイズ小型仏壇

古い仏壇を廃棄処分してほしいとの要望も多く寄せられるが、古くても使われている蒔絵や金具、彫り物には現代の明光もうなる高度な技術が駆使されていたり、今では再現が難しいものもある。現代のライフスタイルの変化よるニーズを踏まえ、高さ70センチ幅、奥行きが40センチ程度の小型仏壇を製造するほか、オーダーメイドにも対応。さらにその一環として既存の仏壇の部材を再利用した小型仏壇の製造を手掛けている。

山本洋二
美川仏壇TOP

現代の住空間にあわせたリサイズ仏壇

仏壇を縮小化すること

ライフスタイルの違いから建築様式が変わってきています。
いざ仏壇が必要になったとき、仏間がない、過去のものは大き過ぎてスペースがない、マンション住まいで違和感があるといった相談がよく寄せられています。

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先祖の心、想いを引き継ぐ佛壇の復元

仏壇は両親、先祖から引き継いだものですし、信仰から来る精神的な部分から、安易に処分するのは心苦しく、なんとか子孫に残したいと考えるのが普通ですね。
そこで思いついたのが、今の住空間に溶け込むように縮小リサイズすることです。
完全に縮小できなくても、両親や先祖の思い入れの深い部分、職人の目で見て高い技術がある部分を取り入れることで、先代の心、思いを伝えようと考えました。
従来では買い替え、洗浄が一般的だったのが、住宅事情により仏壇のスペースが縮小されることが多く、大きな仏壇ほど処分されています。
今回の取り組みは、先祖からの思いを伝えていく上で、お客様が希望される住宅空間にあった、大きさ、また空間にあったデザインを提案、復元していくことで、今までのものをお守りし、伝えていける新たな試みです。

手を合わす心を視線へ

家庭の事情により、新・改築、移転を余儀なくされている方、首都圏に住むお年寄りや中高年層、先祖からの仏壇に思い入れのある方など、様々な方がいらっしゃいます。
現代の事情を踏まえ、当工房の理念である『手を合わす心を子孫へ』を考えると、縮小復元は、これから必要になるサービスだと思います。
当社の木地づくり、塗りを一貫して行う工房は、全国でも希少で、お客様、木地師、塗り師とで綿密な打合せができ、お客様の満足いく製品が提供できます。

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先祖代々の仏壇を継承する、佛壇の復元・修復

完全解体による復元修復

当工房では、仏壇の洗浄から完全解体による復元修復まで、ご予算や期間に応じて対応いたします。ある程度年数のたった仏壇の場合は、多少予算はかかりますが復元修復をお勧めしています。
当工房の復元修復では、木地塗り一貫製造の強みをいかし、傷んでいる部分は躊躇無く新しい部品を新調して補強しています。

佛壇修復実例

製造後80年以上のお仏壇の修復作業をご紹介します。この修復で向こう50年はまた大切にできる状態に戻しました。むしろ、各所に新たな補強を施したので新品の頃よりも堅牢になっているのではないでしょうか。古いお仏壇は先祖代々、大切に手を合わせてきた特別の存在です。できるならば、徹底的に直してあげた上で、さらに子孫へと伝えて頂きたいたいものです。

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戸閉め全景
漆面表層が紫外線と汚れとで白化しています。分解し、苛性ソーダで洗った後、はつり、研ぎ、刻苧(漆ベースの伝統的なパテ)工程、下地工程、塗り工程と進みます。


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障子閉め全景
障子に破損が見られ、金具の傷みも進んでいます。障子格子は新調し、紗は張替えました。


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戸開全景
長年の汚れや傷みで酷い状態ではありますが、木地がしっかりしている上、金具や蒔絵、彫りなども素晴らしく、修復すべきと判断しました。


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斜景
修復前(左の写真)は、一度水吹きして汚れをとった状態ですが、全体にくすんでいます。


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全塗り替え。蒔絵部分は元の絵を活かし、書き直さずに修復。傷みの激しい金具は、高岡の金具師の手で昔ながらの本漆の焼付け塗装にて色戻ししました。


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角がかなり傷んでいます。
刻苧(漆ベースの自家製パテのようなもの)して塗り直しです。


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宮殿屋根・天井・来迎柱
来迎柱の金具は錆を落とし磨き上げ、本金メッキで修復。天井は下地から塗り直して箔押し。屋根は完全に解体して苛性ソーダで洗い、各パーツの箔を押し直しました。


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各檀
こびりついた汚れや白化した漆面。この酷い状況を前にして大抵のお客様は買い替えを考えられます。しかし80年前の輝きをよみがえらせることは可能なのです。


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側板
古い仏壇の金箔は金の純度が低いため、含有物が変質し激しく劣化します。そのため縁付金箔にて全張替。前柱の金具も傷み緑青が激しく他の金具同様に対応。